やっとの思いで販売開始することが出来た「信楽焼に入った”たぬきクッキー”」。どうやって出来ていったか順を追って振り返りたいと思います。
信楽焼の窯元との打ち合わせ
2023年の6月から計画を始め、信楽の窯元と器を作るところから始まりました。
こちらの窯元とは普段から取引があるということと、僕と社長が同級生ということもありいろんな話をしながら楽しく打ち合わせすることが出来ました。草津の商工会議所の方にも参加いただきまいた。
クッキーの形を決める
つづいて中身のクッキーに取り掛かります。信楽焼の器に入れるのでたぬきのクッキーにしようとは決めていたもののこのたぬきを表現するのが難しくかなりの時間と労力を使うことになるのでした。
まず市販の型を買って作ってはみたものの可愛すぎて名物になるとは思えない。
そして、カッコいいクッキー缶の真似をしたくて、アイシングををしてみたものの自分のセンスの無さに驚愕。こんな難しいものをセンスよく作る菓子職人さんを改めて尊敬。
ここからが苦労の連続、クッキーをどんな形にするか全然決まらなくて、イメージを作っては妻にクッキーを焼いてもらっていたのですが、いちいちクッキーを焼くのも大変なので、小学生の時以来に触るねんどで色んな形を作りながら試行錯誤の日々が続きました。
器の色を決めるのはひたすらアンケート
それと同時期くらいに進めたのが器のデザイン。形はある程度決まっていたので信楽焼っぽくて信楽焼過ぎないデザインとは何かをかなり悩んだのですが、自分で考えてもラチが開かないので、この商品のターゲット層の方にアンケートをしまくってデザインを決めていきました。
ネットからいろんな種類の画像を集めて、好きな順に番号で教えてもらって答えに点数をつけてを繰り返して、じゃあツートーンにしようと言うことになって、窯元とも相談して今の3色になりました。
まだ解決しないクッキー問題
そんな中でも解決しないのがクッキーの形問題。たぬきをシルエットにするとネコに見えちゃうし、たぬきっぽく見せようとするとどうしても可愛くなりすぎる。そんなこんなを色々悩みながら、結局自分で信楽焼たぬきの絵を描いて型を作ってもらってもうこれで行こうと思って、最終またいろんな方にこのクッキーどう思うってアンケートとってみたのですが、まさかのダメ出し…。自分自身もちょっとアニメっぽいかなと思っていたので、せっかく型まで作ったけどもう一度振り出しに戻ってたぬきのデザインを考えることに。
友民さんとの出会い
この信楽焼に入ったたぬきクッキーの開発は草津市の補助を受けてる関係で開発にエンドがありました。ですのでたぬきクッキーのデザインはダメ出しはされたものの自分の考えたデザインでいくしかないかと思っていたところ、インスタで何か参考になる絵がないかと探していたところ、とても可愛くて表情が豊かな信楽たぬきの絵を発見!しかも色とりどりでこの絵を信楽たぬきたちをキャラクターに出来ればいろんな販促活動もできると思い、インスタのDMを送ってみたところ一度お話をしてくれるとのこと。信楽焼たぬきの絵を描いている方なので滋賀県在住の方と思い「どこで会いましょう」なんて連絡をしてしまったのですが、なんと友民さんは北海道在住。失礼をお詫びしてzoomで打ち合わせをさせていただいたところ。嬉しいことに使用の許可をいただき、このたぬき達を信楽焼に入ったたぬきクッキーのクッキーおよび全体のキャラクターにすることが決定しました。
たぬきのデザインは自分でも考えたし、プロのデザイナーにお願いしようかも相当悩みましたが、この絵に出会えたことでこの商品の未来がかなり見えたような気がしました。
器の試作の完成
容器の試作は一発で終わり、この後クッキーの詰め方などでこの容器が必要となるので、先にクッキーの食べた後の器の使い方の撮影をしました。この料理の撮影はなんと僕の自宅で妻の手料理を撮影したものなのです!
綺麗な花のアレンジはハヤコフラワーデザイン(https://www.instagram.com/hayakoflowerdesign/)にお願いしてそのつながりで草津のカフェ、ホワイトレインボー(https://www.instagram.com/cafewhiterainbow/)さんで撮影させていただきました。
器のカドミウムと鉛のテスト
器もクッキーも試作が完成しいよいよ売り出せるかなと思った矢先、大切なことを僕は知らずにいました。がんばカンパニーさんに指摘されて初めて知ったのですが、食品を入れる器にはカドミウムと鉛の溶出テストが必要ってこと。慌てて保健所に電話して、資料の在処を教えてもらって色々調べてみたら信楽窯業技術試験場でテストができるとのことで、テストの予約をして信楽からきた器を信楽まで持っていってテストしてもらった結果、もちろん問題なし。試験場の人いわく、カドミウムも今まで試験した中で鉛も出たことがないとのことでしたがテストしてもらっている1週間はもし危険物質がでたら今までの開発が1からになってしまうとちょっとドキドキでした。
賞味期限のテスト
もうひとつ大切なテストが賞味期限。雑菌などが入っていないかのテストとと実際に食べてみて問題ないかのテストをしますが、想定の期限の保存した後になるので賞味期限を3ヶ月にしようと思うと3ヶ月保存が必要になります。3つしかない試作の容器を溶出テストが終わったすぐ後にクッキーを詰めてもらい、2つを雑菌などのテストをしてくれる会社に1つをがんばカンパニーさんで1ヶ月保管し、テストをしてもらい問題ないとの結果で現在の賞味期限は1ヶ月となっています。今後テストが終われば賞味期限は3ヶ月になる予定をしています。
そんなこんなを繰り返して販売日ギリギリまで色々ありましたが、なんとか販売を開始することが出来た「信楽焼にはいった”たぬきクッキー”」ぜひ一度ご購入いただきたい商品です。これからもよろしくお願いします。